─ 22 ─
講 座
第
古 文
6
活用のある自立語自立
語
単語は、単独で文節を作ることができる自立語と、必ず自立語と一 いっ緒 しょになって文節を作る付属語とに分けられる。︵例︶ もっと 広い 公園 が できる らしい よ。用
言
活用し、単独で述語になることができる自立語を用言という。用言には次の品詞がある。①動詞⋮動作・作用・存在などを表し、﹁ウ﹂段の音で終わる。②形容詞⋮物事の性質や状態を表し、﹁い﹂で終わる。③形容動詞⋮物事の性質や状態を表し、﹁だ・です﹂で終わる。用言の活用の種類 ︵自立語︶︵自立語︶︵自立語︶︵付属語︶︵自立語︶︵付属語︶︵付属語︶
基本形語幹未然形連用形終止形連体形仮定形命令形 活用
の
種類呼ぶよ ばぼ びん ぶぶべべ五段
起きるおきききるきるきれ きろきよ 上一段
上げるあげげげるげるげれ げろげよ 下一段
来る︵くる︶こきくるくるくれこい カ行変格
する︵する︶ しせさ しするするすれ しろせよ サ行変格
白いしろかろ かっく う いいけれ 形
詞 容
清潔だせいけつだろ だっで に だななら 形
詞動 容 ︵ ︵
︵ ︵
⑴
次の文章中の 線ア∼セを動詞・形容詞・形容動詞に分類し、記号で答えなさい。さらに、あとの①・②に答えなさい。 湖 こ畔 はんの道は、やわらかな霧 きりの中に、白くどこまでも続く。こういう人ひとりいない道を静かに 歩くのは、往来の激しい都会などで、せかせかとあわただしく歩くのに比べると、別世界のような感じ
が
する。しんとして、清らかで 深い山を行く趣 おもむきがある。
動詞
形容詞
形容動詞
① 次の活用の種類にあてはまるものを、分類した動詞の中から選び、記号で答えなさい。︵あてはまる動詞がないものには﹁なし﹂と書きなさい。︶
② 線ア・エ・オ・カの語の活用形を答えなさい。 アイウ
エオカキ
クケ
コサシスセ
五段 上一段 下一段カ行変格 サ行変格
アエオカ
─ 23 ─
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。 八月二十九日善 ぜん光 こう寺 じ参り。 本堂の柱に、長 なが崎 さきの旧友たれかれ、八月二十八日参るとしるしてありけるに、今は三十年余りの昔ならん、おのれかの地にとどまりて、一つなべのもの食ひて笑ひののしり、むつまじき人たちなり。あはれきのふ参りたらんには、面会して、こしかた語りて心なぐさまんものを、互 たがひに四百余里の道 みち程 のりへだたりぬれば、ふたたびこの世には あひがたき齢 よはひにしあれば、しきりに慕 したはしく、なつかしくなむ。︵小 こ林 ばやし一 いっ茶 さ﹃父の終 しゅう焉 えん日記﹄︶
問一 線部﹁あはれ﹂を現代かなづかいに直して書きなさい。
問二 線①﹁しるしてありける﹂とありますが、どういう内容が記されていたのですか。現代語で書きなさい。
問三 線②﹁かの地﹂とはどこですか。文中から書き抜 ぬきなさい。
問四 線③﹁一つなべのもの食ひて﹂とありますが、﹁一つなべのものを食う﹂とは何をたとえた表現ですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 貧しい暮らしぶり イ 横 おう着 ちゃくな生活態
度
ウ 激しく争うこと エ 親密な間 あいだ柄 がら
1
①
②③
④⑤
⑥
⑦ 問五 線④﹁むつまじき人たち﹂を別の言葉で述べている部分を文中から九字で書き抜きなさい。
問六 線⑤﹁きのふ﹂とはいつのことを指していますか。文中から書き抜きなさい。
問七 線⑥﹁こしかた﹂の意味として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア やって来た道中 イ 今までの出来
事
ウ 昔の友人たち エ 現在の様子
問八 線⑦﹁しきりに慕はしく、なつかしくなむ﹂とありますが、なぜこのように思うのですか。現代語で
二 ・つ ・
書きなさい。
問九 筆者は、善光寺を八月二十九日にお参りしたことを悔 くやんでいます。どうしたかったと筆者は思っているのですか。現代語で書きなさい。
5
─ 24 ─
練
習 問
題
次の古文と現代語訳を読んで、あとの問いに答えなさい。︹古文︺ 傍 かたはらよりいふことは、いとよく当 あたるものなり。かの人は衰 おとろへたまひしといへど、鏡見てもさは思はず。﹁彼 かれは今かくすれど、後 のちには悔 くいおもふべし﹂などいへど、知らざるものぞかし。私の心だになくば、傍にて見ると同じかるべし
。
︵松 まつ平 だいら定 さだ信 のぶ﹃花 か月 げつ草 そう紙 し﹄︶︹現代語訳︺ 傍の者が言うことは。﹁あの人は衰えなさった﹂と言うけれど、鏡を見てもそうは思わない。﹁彼は今このようにしているけれど、後で悔いるにちがいない﹂などと言うけれど、それに気づかないものなのだ
。
自分自身にとらわれる心さえなければ、傍で見ているのと同じだろう。
問一 線A﹁いふ﹂・B﹁たまひし﹂を現代かなづかいに直して書きなさい
。
A
B
問二 現代語訳のにあてはまる言葉として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア たまには当たることもあるイ かならず当たるものであったウ たいへんよく当たるものであるエ 半分は当たるのかもしれな
い
1
AB
①
②
③ 問三 線①﹁さは思はず﹂とありますが、だれが﹁そうは思わない﹂のですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 言われた当人イ 傍で言う人ウ 筆
者
問四 線②﹁傍にて見ると同じかるべし﹂の意味として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 傍で見るのと同じように、無責任なことを言えるだろう。イ 傍で見るのと同じように、年老いていくものなのだろう。ウ 傍で見るのと同じように、後 こう悔 かいすることばかりだろう。エ 傍で見るのと同じように、自分のことがよく分かるだろう。
問五 線③﹁自分自身にとらわれる心﹂にあたる古文中の言葉を、書き抜 ぬきなさい。
問六 古文中に﹁ ﹂︵カギ︶をつけられる会話文が一か所あります。その部分の初めと終わりの三字を書き抜きなさい。
∼
─ 25 ─
次の古文と現代語訳を読んで、あとの問いに答えなさい。︹古文︺ ふみをうつすに、同じくだりのうち、あるはならべるくだりなどに、同じ詞 ことばのあるときは、見まがへて、そのあひだなる詞どもを写しもらすこと、つねによくあるわざなり。又 また一ひらと思ひて、二ひら重ねてかへしては、其 その間一ひらを、みながらおとすこともあり。これらつねに心すべきわざなり。又よく似て、見まがへやすきもじなどは、ことにまがふまじく、たしかに書くべきなり。これは写しがきのみにもあらず、
お
ほかた物かくに、心 こころ得 うべき事ぞ
。
︵本 もと居 おり宣 のり長 なが﹃玉 たま勝 かつ間 ま﹄︶︹現代語訳︺ 書物を書き写す場合に、同じ行のうちや、あるいは並んでいる行などに、同じ言葉のあるときは、見 み間 ま違 ちがえて、その間にある言葉を写しもらすことは、。また一枚だと思って、二枚重ねてめくっては、その間の一枚を、すっかり写し落とすこともある。これらのことは常に注意しなければならないことである。またよく似ていて、見間違えやすい文字などは、特に間違わないように、正確に書かなければならないものである。これは写本ばかりでなく、一 いっ般 ぱんに物を書く場合に、注意しなければならないことであるよ。
問一 線部﹁おほかた﹂を現代かなづかいに直して書きなさい。
問二 線①﹁見まがへて﹂とありますが、それはなぜですか。次のにあてはまる言葉を古文中から書き抜 ぬきなさい。
同じ行もしくは並んだ行に があるから。
2
①
②
③
④ 問三 線②﹁つねによくあるわざなり﹂の現代語訳がにあてはまります。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア ふだんから注意すればよいことであるイ ふだんから習得すべき技術であるウ ふだんは、あまりないことであるエ ふだん、よくあることであ
る
問四 線③﹁みながらおとすこともあり﹂とありますが、何を﹁みながらおとす﹂のですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 二枚重なっている、上の一枚イ 二枚重なっている、下の一枚ウ 二枚重なっている、上下の二
枚
問五 線④﹁すっかり﹂は古文ではどう表されていますか。古文中から書き抜きなさい。
問六 この文章で述べられていることとして最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア むやみやたらに写本すべきではないという注意イ 正確な文字が書けるように、ふだんから練習せよという注意ウ 写本する場合には文字の違いにだけ気をつけよという注意エ 写本する場合の心がけと文字を正確に書けという注意
5 5